愛。
愛って増えると思っていた。 100%の愛を この人に50、あの人に30、と分けるわけではなく。 この人にも100の愛、あの人にも100の愛、というふうに。 愛は100%がいくつもに増えると思っていた。 あいつと俺とどっちが好きだ?といわれても、どっちも100だった。 ついこの間までは。 家庭のある人と恋をした。 初めて相手には私以外の人にも愛を持っていた。 初めて私だけに100%であってほしいと思った。 やっぱり愛は100%を分けるものなのだろうか。 でも。 家族が増えたとき。 小さいころ、弟ができた。 親は弟にかかりっきりになった。 でも私にも同じ愛を注いでくれた。 そのとき愛は100を分けるものではないと思った。 弟にも100%、私にも100%だった。 愛は増えるんだ。 道を違えた恋。 それが間違っていたのかもしれない。 でも間違っていたにしろ、私は恋をした。 愛ではなかったのかもしれない。 あいつと俺、と比べた人もいた。 それも愛ではなかったのかもしれない。 愛は増えるもの、と信じていたい。 |
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